「楽器がよく響く綺麗な音を最小限の力で吹くという目標」をもっていると、最終的にmp に近づきます。最小限の力で吹き、唇が十分振動して音が鳴っている状態をつかみながら、唇の自然な振動が得られるようになることを目標にしていると、より小さな音で、倍音を多く含むしっかりとした綺麗な音が出せるようになります。

この小さな音で、倍音を多く含むしっかりとした綺麗な音が、大きな音や力強い音、超ハイトーンなどの元の音となります。ベースとなる元の音がよくないとすべての音に影響します。

可能であればより小さくpp(ピアニッシモ)で行うのもよいかもしれませんが、はじめから無理にpp(ピアニッシモ)にこだわると、余計な力が入りかえって倍音の少ない縮こまった音になり、逆効果になってしまうことがあります。

ラクに吹けて気持ちよく倍音が響くmp(メゾピアノ)くらいの音量が、結果的に練習には最適だと思われます。

倍音を含むしっかりした音で行うと音量がmpにならない場合は、このロングトーンを初めからmf(メゾフォルテ)や(フォルテ)の音量で行ってもかまいません。その場合でも「楽器がよく響く綺麗な音を最小限の力で吹くという目標」をもって行うことが最重要で、練習を積み重ねた結果としてmp(メゾピアノ)の音量を目指します。

「よく響くきれいな音」の確認法は、例えば、実音Fでf(フォルテ)からDecrecsendしていった時に、音量が弱くなっても倍音や振動が保てることなどが一つの基準となります。

ちなみに、練習を積んで綺麗なmp(メゾピアノ)の音量に近づいた時の息の量は、ロウソクの炎をほんの少し傾ける程度で十分です。

バズィングのところでお話ししましたが、やはりいきなりff(フォルティッシモ)で吹くのはご法度です。段階的に、唇が十分に、そして力が入っていない自然な振動をしていることを確認しながら、徐々に大きくしていくべきです。

繰り返しになりますが、譜例の強弱記号を守り段階的に大きくして行きます。段階を抜かしていきなり大きな音を出すのは、唇の準備がない状態でいきなり負荷をかけるということです。負荷に耐えるために余計な力が入り、「余計な力の悪循環」に陥ることになってしまいます。

まずは余計な力の入っていない状態で一通りのメニューをこなし、唇の自然で十分な振動のある状態、すなわち「よく響くきれいな音」を出すことができていることを確認してください。

このロングトーンのパートは、上達してくるととても小さな音で行うことができます。上達に伴い、mp(メソピアノ)よりさらに小さいp(ピアノ)やpp(ピアニッシモ)でも、「よく響くきれいな音」が出せるようになってきます。場合によっては、防音施設の無い家でも練習が可能なくらいの音量まで小さくすることができます。防音施設が無い場合、この後の「5インターバル」以降のパートはカップミュートやプラクティスミュートを使用するといった方法もあります。
(2010年11月13日、日本トランペット協会第58回マスタークラス・クリニックでのクリーヴランド管弦楽団首席奏者の「マイケル・サックス」の解説より。)


長倉穣司 (トランペット奏者) Webサイト

4-(2) なぜmpか?

「楽器がよく響く綺麗な音を最小限の力で吹くという目標」をもっていると、最終的にmp に近づきます。最小限の力で吹き、唇が十分振動して音が鳴っている状態をつかみながら、唇の自然な振動が得られるようになることを目標にしていると、より小さな音で、倍音を多く含むしっかりとした綺麗な音が出せるようになります。

この小さな音で、倍音を多く含むしっかりとした綺麗な音が、大きな音や力強い音、超ハイトーンなどの元の音となります。ベースとなる元の音がよくないとすべての音に影響します。

可能であればより小さくpp(ピアニッシモ)で行うのもよいかもしれませんが、はじめから無理にpp(ピアニッシモ)にこだわると、余計な力が入りかえって倍音の少ない縮こまった音になり、逆効果になってしまうことがあります。

ラクに吹けて気持ちよく倍音が響くmp(メゾピアノ)くらいの音量が、結果的に練習には最適だと思われます。

倍音を含むしっかりした音で行うと音量がmpにならない場合は、このロングトーンを初めからmf(メゾフォルテ)や(フォルテ)の音量で行ってもかまいません。その場合でも「楽器がよく響く綺麗な音を最小限の力で吹くという目標」をもって行うことが最重要で、練習を積み重ねた結果としてmp(メゾピアノ)の音量を目指します。

「よく響くきれいな音」の確認法は、例えば、実音Fでf(フォルテ)からDecrecsendしていった時に、音量が弱くなっても倍音や振動が保てることなどが一つの基準となります。

ちなみに、練習を積んで綺麗なmp(メゾピアノ)の音量に近づいた時の息の量は、ロウソクの炎をほんの少し傾ける程度で十分です。

バズィングのところでお話ししましたが、やはりいきなりff(フォルティッシモ)で吹くのはご法度です。段階的に、唇が十分に、そして力が入っていない自然な振動をしていることを確認しながら、徐々に大きくしていくべきです。

繰り返しになりますが、譜例の強弱記号を守り段階的に大きくして行きます。段階を抜かしていきなり大きな音を出すのは、唇の準備がない状態でいきなり負荷をかけるということです。負荷に耐えるために余計な力が入り、「余計な力の悪循環」に陥ることになってしまいます。

まずは余計な力の入っていない状態で一通りのメニューをこなし、唇の自然で十分な振動のある状態、すなわち「よく響くきれいな音」を出すことができていることを確認してください。

このロングトーンのパートは、上達してくるととても小さな音で行うことができます。上達に伴い、mp(メソピアノ)よりさらに小さいp(ピアノ)やpp(ピアニッシモ)でも、「よく響くきれいな音」が出せるようになってきます。場合によっては、防音施設の無い家でも練習が可能なくらいの音量まで小さくすることができます。防音施設が無い場合、この後の「5インターバル」以降のパートはカップミュートやプラクティスミュートを使用するといった方法もあります。
(2010年11月13日、日本トランペット協会第58回マスタークラス・クリニックでのクリーヴランド管弦楽団首席奏者の「マイケル・サックス」の解説より。)