長倉穣司 (トランペット奏者) Webサイト

10 演奏への応用

ウォーミングアップとしては、ここまでで終了です。ここまで行って約30分です。

もしも、時間が無い時は、途中まで行うことになりますが、どんなに時間がなくても最初のロングトーンは行いましょう。

ウォーミングアップの方法として書かれていますが、実はこれが奏法の基礎を固める練習でもあります。注意点を完全に実現出来なくても毎日1回行ってみましょう。逆に言えば、1日1回行えばよいのです。それにより、自然と必要な部分が鍛えられてきます。毎日行っているうちに、ウォーミングアップを行わない時の調子の悪さ、つまり自分の調子の本当の善し悪しがわかるようになると思います。

毎日行うことは、とても大変なことのように思われるかもしれませんが、たとえばロングトーンのみ行うとすると、(52小節+休み12小節)×4拍=256秒≒約4分半です。楽器を出して、注意事項を守りながら行って楽器をしまって、恐らく所要時間10分ほどでしょうか。習慣になってしまえば僅かな時間です。大変に思うかどうかは、習慣化できるまでの根気があるかどうかの問題です。

また、ロングトーン部分は上達するとプラクティスミュートなどを使用しなくてもよいくらい小さな音で練習出来ます。

ウォーミングアップ後、合奏など曲を演奏する時は、このウォーミングアップの状態を応用していきます。慣れないうちは、このウォーミングアップが曲の演奏にどう役立つのか、あまり実感できないかもしれません。しかし、半年、一年と時間を投資することにより、手品の種が徐々に身につき、華麗に演奏に応用していくことが出来るようになると信じています。